フローレス島に到着した現生人類は、そこにいたホモ・フローレンシスの石器の使い方を真似した可能性があるそうです。
ヨーロッパに入った現世人類はシャテルペロン文化的なものをネアンデルタールに学んだと主張する研究者もいるようです。
現生人類の能力からすれば、以前から住んでいた旧人の真似はできるはず。
そうすると、アジアにおいて現世人類登場前後で石器文化にあまり違いが見られない、というのは現世人類がとりあえず現地の旧人の生活習慣をとりいれ、同様の石器を作ったから、と考えてもよいのかもしれません。
特に、寒い地方へ向かった現世人類がそこに先住していたネアンデルタールやデニソワ人の生活の知恵を取り入れた可能性は考えても良いと思います。
もちろん、そのような文化の模倣が可能となるような接触があったかどうか検討が必要ですし、模倣がなくとも、同様な環境では同様の生活スタイルになるはず、という説明も十分可能ではあります。
そのような目で、現生人類登場前後の遺跡の違いを見てみる必要がありそうです。
日本においては、40000年前頃から確実な遺跡が登場し、それ以前の遺跡は確定的なものはまだないようです。日本に旧人が到達していたか、それが現世人類に何らかの影響を与えたか、は明確にわかる状況ではありません。
そもそも、40000年前の日本列島に確実な遺跡を遺した人類が、現世人類であったという保証もありません。日本に到達した人類の第一波は、現世人類によって大陸から追われた旧人たちであった、という仮説も考慮にいれておくべきではないかと思います。